雨季の過ごし方-2016-

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梅雨-醫方集解より-

醫方集解(いほうしゅうかい 中医師考試必読 漢方専門書)に記載されていることです。

内径曰く、地の湿気を感じると 皮 肉 筋 脈 を損ねる。

諸んな 湿の腫れや膨満感は皆 脾臓に属する。

 

湿なる者は土(胃腸・脾臓)の気である。

土(胃腸・脾臓)なる者は火(心臓)の子である。

木(肝臓)火(心臓)土(脾臓)だから。

故に 湿はことごとく よく 熱を生じることができる(湿は熱を生じる)。

夏の熱が萬物を潤うが如し(必要な時期)。

 

だから

湿は 外から感じて得たものもあるし、

或いは 低い湿気のところに座ったり、横になったり、寝たりして得る場合

或いは 雨に打たれて受ける場合もある。

体の中から傷つけられて得たものもある。

(生もの 冷たいもの 酒 冷たい麺類 過度なセックス ストレス)

 

脾臓が虚だと腎臓も虚になる。

そうすると 湿が出るのを防いだり、それを制することができなくなる。

有るものは

 風と湿 ⇒ 防風・荊芥を主薬に用いる

 熱と湿 ⇒ 黄連・黄芩を主薬に用いる

 寒と湿 ⇒ 麻黄・桂枝・生姜を主薬に用いる

 暑と湿 ⇒ 香薷・厚朴を主薬に用いる

 

湿は表にあり 裏にあり。だから 宜しく発汗させる。

裏が虚(不足)な物は 宜しく 脾臓を実にすべし。

湿が勝つと 脾臓(胃腸)が運行しない。

土(脾臓・胃腸)が水(腎臓)を制御できない。

それで

皮膚に水が溢れると張って腫れる。

若し

湿が足の太陽(膀胱)に行くと下痢をする。

水が心の下に停滞すると嘔吐する。

水の寒が肺を射るとフーフー言って咳をする。

 湿が勝る ⇒ 体が痛くて重い

 熱が勝る ⇒ 体が熱い

 寒が勝る ⇒ 体が冷たい

 

梅雨時季の要注意点

雨季は蒸し暑く、湿気が多くなる季節です。

病気の原因には、気候の変化からくるものもあります。

 

 風に当たり過ぎて病気になる。

 寒さが原因となって病気になる。

 暑さが原因となって病気になる。

 湿によって病気になる。

 燥(乾燥)によって病気になる。

 火(高熱の環境)で病気になる。

 

雨季に強い人は、胃腸が丈夫で気や血が充実している為

湿を体内に取り入れないし、余分な水分は排出できる。

 

雨季に弱い人は、胃腸が弱い。

胃腸が弱いと各臓器の機能が低下するため

気が不足。血が不足。冷えて免疫力が低下。

水分代謝も悪く、発汗も十分でないため、湿を体内にためやすい。

皮膚も弱いため湿が皮膚から侵入することを防げない。

 

特に水分代謝の悪い体質の方は、この時季は要注意です。

皮膚から空気中の水分を吸収しやすい為、湿が原因で症状を発症しやすくなります。

疲れやストレス、睡眠不足には特に免疫力を低下させて皮膚のバリア機能が低下するため

湿が体に入り込んできます。

 

“湿の邪”を受けると…

体が重い、汚く濁る、下へ落ちる→足元、下半身が浮腫む

“湿邪”は胃腸(消化器)や筋肉、皮膚を傷つけます。

湿による害

 胃腸が弱い方は特に注意が必要です。

 食欲不振 吐き気 嘔吐 消化不良 腹部膨満 下痢 

 胃酸が出る 味がわからない  食中毒にかかりやすい

 体が痺れて重い 体や手足がダルイ 手足が痺れる 手足が浮腫む

 関節が腫れる リウマチが悪化・再発しやすい 関節痛が酷くなりやすい

 皮膚:湿疹ができやすい 腫れやすい

 頭:めまい 頭重

   湿が頭に溜まるとめまいがする。

   多くの方が湿からくるめまいの場合、湿を取り除くとめまいが取れています。

 

生活の中で特に注意すること

●雨の中を歩かない
  ⇒体の弱い人は湿が皮膚から体内に取り込まれるため、湿邪の害を受ける。

●疲れをためない

●睡眠不足をしない

●暴飲暴食をしない
  ⇒ 腹八分目に抑える。よく噛む(ひと口30~50回)

●冷たい水・熱いお湯も飲み過ぎない。

●お茶も飲み過ぎない
  ⇒ 苦味は胃腸を冷やして吐き気、食欲不振、もたれ、消化不良、胃酸過多を作ります。

●関節の痛む人は雨の日は外を出歩かない方が良い。
  ⇒湿の性質は下に落ちる性格があり、下半身を犯しやすい。
  ⇒湿は関節に溜まれば関節が腫れる。
  ⇒皮膚に溜まれば筋肉がパンパンに張って歩行時に痛む。

●避けたい食べ物
 ・生ものや冷たいもの
 ・冷たい麺料理
 ・水
 ・冷たい日本茶は特にダメ
 ・熱いお茶も飲み過ぎはダメ
   ※お茶の性質は苦く、胃腸を冷やして胃酸過多にする。
   ※玉露は特に苦味が強いためダメ

 ●食中毒に注意

 ・味が変と感じるものは食べない。
 ・添加物のたくさん入ったものは食べない。
 ・天ぷらやフライ、唐揚げなどの揚げ物は新しい油で揚げる。
 ・食べ過ぎない。腹八分目に抑える。
 ・生ものを食するときは 生姜やニンニクなどの殺菌効果のある薬味を用いる。

 ●湿気による“寝苦しさ”“寝冷え”に強い体を作る。

 ・体力を保つ
 ・抵抗力のある体を作る。
 ・夜10時~翌2時の間は必ず寝ておく。
 ・食物は胃腸を補うために30~40回噛む。

 ●オータニボディマッサージオイルでのリンパマッサージは浮腫みに効果的です。

 ・足、手、首、背中に1ブロック10分程度、揉み込んでください。
 ・胃腸の弱い方はお腹の周辺に使うと温まります。
 ・グレープフルーツのアロマオイル(精油)が消化器系の働きを促進させます。

 

雨季に最適なお料理

◎最適な食べ物

  四川料理は最適です。

  唐辛子や山椒などの香辛料を効かせて高温多湿の気候から体を守る為のメニューです。

  中国の四川省は盆地で、湿気が多い高温多湿。

  関節痛やリウマチ、胃腸障害を起こしやすい地域です。

  だから、辛い物を食べて汗をかいて健康を保つのです。

  体を温めて発汗させて湿を体外に排出する料理になったのです。

   麻婆豆腐 担担麺 エビチリソース 麻婆茄子

 

“湿”を取る薬膳料理

・ささげがゆ

・豚肉の薏苡仁煮

・山菜とえんどう、なつめの三色蒸し

・枸杞子と豆腐のあえもの

・エビ焼き飯

・ほうれんそう粥

・きくらげ粥

・くり粥

・蓮子の百合煮

 

胃腸は臓器の総司令部

胃腸はすべての臓器の総司令部です。

胃腸が動けばすべての臓器が動きます。

点滴で食べられなかった方が食べられるようになると

体の回復が早くなります。

食べることは全ての臓器が活動を始めるということです。

※食欲が落ちたときは、まず、好きな食べ物を食べることから始めると

 回復を早めるとことにつながります。

 

 

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